忍者ブログ
ttt.dairy
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


なかなか、拍手も55も長編もキリリクも、すすまないので。
ちょっと書いてみた小話。

伊達組佐助両親の小咄です。


少年S 今昔物語



それは今は昔の物語。

「おら、猿飛!!惚れた女ならうだうだしてねーでとっとと攫え!」
「ええええええ、攫えって、アナタ。」
「つーわけで片倉(父)、こいつと駆け落ちするから。」
「わかりました、姫。こちらが通帳と印鑑でございます。」
「おう、行くぞ、もう妊娠しちまったし。責任取れよ☆」
「えええええええ、妊娠って、アナタ・・」
 情けない声をあげる優男を他所に、麗しい姫と漢塾にいそうな強面は話を進めていく。
「おお、おめでとうございます。お生みになったら是非ご連絡を。」
「おう☆」
「ああ、それから・・・・・・・・・・・・・・・・夫婦喧嘩、家庭内暴力、あるいは猿飛殿にあきられましたら、その際にもご連絡を。その道のプロを行かせますので。」
「何その物騒な話・・・・・」
「ま、喧嘩しても勝つし、暴力振るったら十倍返しだし、あきたら殺すから安心しろ。じゃあな、行くぞ!」



「そうして姫は、暗殺者・SHINOBIの襟首を引っつかんで高らかに笑いながら去っていかれたそうです。お腹には三ヶ月の、アナタが・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 やばい、何だか目頭が熱くなってきた。
 佐助はそっと目じりにたまった水滴を拭った。
父のことを思うと、どうしても他人とは思えない。
 ものすごく似てる、といわれ続けた所為だろうか。
 ああ、でも何よりもその光景を容易に想像できるあたりが更に哀れみを誘う。
 
親父、完璧に尻にしかれてたもんなー・・・・・・。
 
「姫は異母弟である政宗様がお生まれになって、やっと駆け落ちに踏み切れたのでしょう。・・・・父君(組長)の側近の姫心酔者を利用して、男児が生まれた事を確認するや否や、排卵日を計算して猿飛氏を押し倒したそうですから。」
「めちゃめちゃ産む気っていうか計算ずくだったんですね・・・・・。」
「そうでもしないと、色々と言い訳して逃げそうだとお考えになったそうですよ。」
 いわく、「自分では彼女を幸せに出来ない」とか「ふさわしくない」とか「俺よりいい人がいるから」とか。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
 ものすごく身につまされる話だ、佐助的に。
「『一目でお前の子だってわかる子を産んでやるからな、逃げ場はないぜ、ハニー☆』と微笑まれたそうですよ。」
「あああああああ、なに、俺のお袋って、マジで魔女か何か!?」
 呪い??
 これは呪いなの???
「まあ、そういうわけですので。私としては、政宗様がお幸せならば、アナタに手を出して頂いてもまったく構わないのです。」
「どういうわけかさっぱりわかりませんが・・・・・・・・・・。」
「ただし、自分のしたことの責任はきっちりとっていただきますので。」
「・・・・・・・・・・はい・・・・・・・。」


ていうか、あの、まだ何もしていないっていうか、責任って何ですか。
むしろ手を出す気あるのか、俺。


 自問自答し、うっかり心の深い淵に沈みかけ。
「・・・・・・・・・・・・・・何してんだ、お前ら?」
「「何でもありません」」

 心臓が口から飛び出し気味だったが。
 必死で押し隠し、絶賛母似の叔父にへらりと微笑んだ。



どこまでが誰の呪いなのか。





青年Sの苦悩と不幸にしたほうがよかったかもしれない。
母は政宗様似で。
小十郎父は小十郎瓜二つで。
佐助父は佐助瓜二つで。

文句等はうけつけませんがコメント大歓迎。
PR
COMMENT FORM
NAME
URL
MAIL
PASS
TITLE
COMMENT
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
COMMENT
すごすぎます。(^^)
鱶屋さまこんばんは。
『伊達組』にそんな秘話が!
壮絶なDNA ですね。
伊達家は惚れたらモノにしろで猿飛家は尻に敷かれろですか。小次郎もすごい事を平然といっているし、こんな奴等のいる伊達組は安泰ですね。
田中 2006/07/09(Sun)19:26:33 編集
Re:すごすぎます。(^^)
はい。問答無用で手段もえらびません。
問題は猿飛佐助さんとオモワレマス。父似ですが、母似の部分をどこかで受け継いでいたらと思うと大笑いです。
伊達家は安泰・・・?近々紅蓮の鬼が参戦予定です☆
2006/07/09 19:55
小咄!
はじめまして。いつもこちらのサスダテを堪能させていただいております。かなと申します。
どのお話もそれぞれ非常に魅力的で、某赤い人並みに叫びながら読みたくなるのですが、特に「少年S」シリーズは別格です。毎回悶絶しながら読んでおります。佐助のへたれっぷりは秀逸ですし、政宗の愛らしさは5割増し、何より小十郎です。男前過ぎてうっかり惚れそう…政宗が望むなら佐助でも差し出しそうなところが。他作品の小十郎と比べて一次元高い段階に到達しているような(というより佐助がもはや「人」と認識されていないのじゃ…)感じがします。
その原因というか原体験というかの小咄!素敵に面白過ぎます。政宗は将来襲い受けですか!!しかもあの天然キャラで(笑)もう涙で前が見えませぬ。佐助に合掌しつつエールを送ります。ま、幸せなんだからザッツオーライ!今後の片倉様の、益々のご活躍を祈念いたします。
ぜひこれからも頑張ってください。応援しております。
長々とすみません。乱文、お許しください。
NONAME 2007/01/09(Tue)18:48:00 編集
TRACKBACK
TRACKBACK URL > 
カレンダー
05 2025/06 07
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
フリーエリア
最新CM
最新記事
最新TB
プロフィール
HN:
鱶屋フミカ
HP:
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
忍者ブログ [PR]
"鱶屋フミカ" WROTE ALL ARTICLES.
PRODUCED BY SHINOBI.JP @ SAMURAI FACTORY INC.